改正の激しい年収の壁を整理してみました(2026年4月1日以降、令和8年税制改正反映)
<壁1>本人の年収約106万円(社会保険加入)
以下の①~④のすべての要件を満たした人は、社会保険(健康保険、厚生年金)に加入しなければなりません。
①週の所定労働時間が20時間以上
②月額賃金が8.8万円以上(約106万、残業代、賞与、通勤手当などは含まず)←今後撤廃される予定
③学生以外
④従業員数51人以上(2027年10月から36人以上、2029年10月から21人以上、2032年10月から11人以上)
手取りは減りますが、社会保険は労使で折半であり、厚生年金に加入すると、将来、老齢厚生年金を受け取ることができるようになり、また障害厚生年金や遺族厚生年金などの保障も受けられることから、メリットも大きい。
<壁2>本人の年収110万円(住民税が0の範囲)
住民税は総所得金額が45万円以下であれば非課税であり、給与所得控除が65万円になったため、交通費を含まない給与額面が110万円(45万円+65万円)以内であれば、本人には住民税(所得割)がかかりません。
(なお、住民税の均等割分(年間5000円程度)については、市町村によって非課税になる条件が異なることから、年収が90万円台でも均等割はかかる可能性あり)
<壁3>妻の年収130万円(国民年金・国民健康保険への加入)
最も重要な壁が、こちらの個人で加入する社会保険の壁です。
会社の社会保険の対象になる人、つまり壁1に該当する人はその時点で社会保険加入であり、こちらの壁は関係ありません。パート収入が年収130万円以上になると、完全に夫の社会保険の扶養から外れて、妻が自分で国民年金保険料や国民健康保険料(税)を支払わなければならなくなります。
社会保険加入による負担額は30万円近くかかりますので、年収130万円に届きそうか際どい場合は、届かないようにしたほうが有利です。
連続2年までは扶養者の扶養にとどまれる制度(年収の壁・支援パッケージ)は実施されているが、130万円の壁自体は改正はない。
また、令和8年4月1日以降、収入基準の判断する材料が実際の年収ではなく「労働条件通知書」等の見込み年収に変わります。「労働条件通知書」等の労働契約内容がわかる書類に記載のある賃金から見込まれる年収が130万皆んであるかどうかの判断になります。
また、通勤手当については所得税では非課税となっても、社会保険では収入に含めて判断することから、130万円の判定については通勤手当も含めて判断することになる点、注意が必要である。
<壁4>子供の年収150万円(特定扶養控除が段階的に減少する)
大学生世代(19歳~23歳未満)の子を扶養している扶養者は特定扶養控除(所得税65万円、住民税45万円)を受けることが出来る。子供の年収が150万円以下であれば受けれられる。
なお、150万円を超えても188万円までの間は段階的に控除額が減る「特定親族特別控除」が制定された。
<壁5>妻の年収160万円まで(配偶者控除が受けられる範囲)
夫が「配偶者控除」を受けられるかどうかの壁が妻の年収160万円です。配偶者控除とは、基礎控除と同じで税金を計算する前に所得から差し引くことができる所得控除の一種です。夫の所得から配偶者控除(38万円)を差し引くことができます。
なお、夫の年収次第により、配偶者控除38万円と、配偶者特別控除の満額38万円という金額は、26万円、13万円、ゼロとなる場合もあります。
<壁6>本人の年収178万円(所得税が0の範囲)令和8年税制改正
交通費を含まない給与額面が178万円以内であれば、本人には所得税がかかりません。
給与178万-給与所得控除額74万(69万+特例5万)-基礎控除104万(62万+42万円(基礎控除の特例))=課税所得0円
<壁7>妻の年収178万円~201.6万(配偶者特別控除が段階的に減少する)令和8年税制改正
夫の税金を計算する際の配偶者特別控除が最高額38万円から少なくなっていく壁です。妻の年収が160万円超165万円以下だと36万円、165万円超170万円以下だと31万円と、8つの段階があります。
最終的には201.6万円まで配偶者特別控除があり、それ以上では0になる。
また夫自身の給与所得金額によっても3つの区分があり、900万円以下、900万円超~950万円以下、950万円超~1000万円以下により配偶者特別控除の金額が異なります。なお、1000万円超の場合は配偶者特別控除はそもそも受けられません。