会計士協会東京会の独立PT構成員長をした経験をもとに、特に自分のスタイルである公認会計士としての税務での独立を考えるにあたって、このようなことを準備したほうが良いなどということをこちらに記載します。
もう迷うことなく独立する人は以下を読む必要は全くありません。またAIや最新技術を駆使してスマートにシステム的に仕事をしていこうという人にも全く参考にならないかもしれません。
不器用で泥臭く素晴らしい経歴もない平凡な会計士が生きていくにはどうすればよいかという点での記載です(継ぎ足し継ぎ足しなので駄文になっている点、ご容赦願えれば)。
また独立に迷ったら、東京会の独立PTのイベントや地区会などに参加してみてください。皆さんそれなりに苦労はしてきている、試行錯誤でやってきているので、参考になること、アドバイス、仕事手伝って等色々言ってくれると思います。
1,独立前の人脈形成について
独立する前から色々な会等に参加してみるというのは重要です。会計士協会東京会の委員会活動や地区会の活動、イベント、会計士準会員会や会計士清風会でもよいと思います。また、それ以外の外部の交流会なども色々参加してみるというのは重要です。
税務をやっている事務所で働いている場合はいろいろな人を見ることになるでしょうから、人を見る目は多少あるとは思いますが、相手が大手の人ばかりを見ていると、きちんとした人たちばかりで、世の中色々な人がいることに慣れていないというのもあると思います。交流会などで色々な人を見るというのもありと思います。怪しい人、やたら派手な人、カモにしようと寄ってくる人、このような人たちがその後10年後にどのようになるのかを注目してみるのもありです(大半は途中で消えて見なくなります)。
また、名刺交換等で大量に名刺をもらって誰だかわからなくなるなどもあります。SNSで大量につながってみるというのもありかと思います。どういう会が無駄で、どういう会が参加者を搾取するだけなのか、どういう運営をしているのか、いろいろ参考になることがあります。そういう点では、どのような会に出ても無駄ではありません。むしろ色々な会に出て、小さな痛い目にあったりなどそういうことも重要なのではないかと思います。但しそういう中からでも別に仕事に関わらずであっても長期にわたり繋がり続ける人もいます。それはそれで人生の良い出会いであります。自分も損得関係無しに繋がった良い仲間が出来ました。
同窓会なども重要になります。特に中学高校など(大学は大きすぎるが)は仕事という面だけでなく、豊かな老後という点でも生涯の友という点でも重要と思います。高校、大学などの同窓会活動に参加してみるのもよいでしょう。特に会は運営側に立って初めて覚えてもらえるものです。
弁護士などの他の士業とつながっておくというのも重要です。自分が独立するにあたり、各士業(弁護士、司法書士、社労士、不動産鑑定士)5人つながっておけというアドバイスをもらいましたが(現実そこまでは作れなかったが)、独立してから探していては遅いのは確かです。今も一緒に仕事をする弁護士さんは、独立前の準会員時代から仕事を紹介しあう関係になりました。
自分は独立前から朝活、同窓会(高校、大学)、相撲イベント、会計士協会東京会委員会活動、会計士文京会、会計士清風会、それ以外にも色々な活動に顔を出していました。また誘われたら一先ず行ってみるということもしていました。この時の知り合いと一緒にイベントをやった経験や、会務に色々携わるということが今に生きております(会計士文京会の若手の会の立ち上げ運営や、会計士仲間での旅行や税理士会支部の旅行やイベントなどの企画等)。
会計士(要するに同業)と知り合うことに否定的な人もいます。しかし会計士として全ての業務をやれるわけではありません。自分が手に負えない分野の話が来た場合、この分野はこの会計士に紹介しよう、この分野の疑問点を気軽に聞くことが出来る人を作っておこうというのは独立に当たり非常に重要になってきます。また会計士はチームプレーの場合もありますので、一緒に仕事をすることもありうるでしょう。
独立前にすべてを経験してから独立するわけではありません、独立してから初めて話が来ることもあるでしょう。その時に知らないからできないでとどまらず、話が来たらその日のうちにまずは専門書2冊を買いに行き、出来るだけ特有の用語を頭にたたき入れて臨む、それでもわからない部分は調べた上で詳しい知り合いに聞いてみる、結果は全然違います。またその話が来た時にその前の3期分くらいの資料を入手できるならば先に入手して分析しましょう。HPなどからとれる情報などがあればそれも取っておいて分析することも重要です(特に公益法人のようなHPに公表する義務があるようなところは)。
そうやって出来ることを増やしていくのです(大好きな出川の充電の中で良く流れるWANIMAのやってみようの歌詞(はじめよう やってみよう誰でも最初は 初心者なんだからやったことないことも やってみよう)のように)。独立している者同士、情報も少ないことから情報交換はお互い重要です。(独立する前から、独立してからも)会計士の知り合いを幅広く作っておくことはとても重要です。
2,独立してからの人脈形成
仲の良い会計士が独立のアドバイスとして、頼まれたら「ハイかYESか喜んで」ということを言っていましたが、この精神は重要だと思います。自分がその道のすでに第一人者であればこのような姿勢ではなくても仕事の方が寄ってくる、相手を選べるのかもしれませんが、平凡で名もない人(自分はこちらです)はそうではないので、頼まれれば積極的に色々引き受けることをしました。
ここで重要なのは、何でも引き受けるということではなく、やはりリスクというものは常に考えた上でということです。ただし、変な欲を出さずにまっとうにやっていれば変なことをするような人は近寄っては来ません。結果として今は非常に恵まれた頑張る人たちに囲まれていると思えます。
仕事は正直どこから来るかなんてわかりません。人によっては親戚から来る、同級生から来る、独立前からの太いルートから来る、飛びぬけた専門性があるのでもう最初から名が通っている、これはもう個々人置かれている状況も違うので、正解はありません。ただし、人脈が無い人(自分もそうでしたが)は、幅広く色々な活動をする、活動を途中で辞めない(継続が重要です)、損得で考えない、どこでも会の中心になるくらい活動する、そうやって地道にジワジワと知ってもらうということ以外にはないと思います。
人から見れば結果的にあそこには提供だけで終わっているなどというものもあるかもしれませんが、それでもそれは捉え方、何かしら将来にプラスになる要素はありますし、今後のための反省材料にもなりますし、またそこでの繋がりがどう生かされるかなど正直分かりません。全体としてはプラスマイナスでいえば大きなプラスになります。また継続してずっと活動を地道にすることが重要です(特に同窓会などは生涯にわたる宝物ですので)。また、恩恵を受けたところには人一倍きちんとお礼を返しましょう。継続して汗をかく、下働きをする、いろいろと頑張っていれば誰かが見てくれているものです。
こういう動きをしている結果として、どちらかというとクライアントはご近所や年齢層が高めになります。相手方がパソコンを使えない、メールができない等もあります。資料を取りにや会いに行くなどで自転車で都内を爆走している状態です(これだけ山手線内を自転車で走り回っている会計士はどれだけいるか…)。相続や確定申告の話も結構来ますし、年齢が高めの人はその人たちの横のつながりで紹介してくれる人も結構多いです。
さらに最近多いパターンは税理士が高齢になり廃業するので顧問税理士がいなくなってしまうや、制度改正についていけない等での引継ぎです。中小企業の社長の高齢化も進んでおりますが、たぶんそれ以上に税理士の高齢化が進んでいます。中小企業が少なくなってきている現状において、税理士先生からの引継ぎというのは大きなものであると思います。
こういう状況ですので、AIの脅威というのはまだまだ感じない状況ではあります(むしろもう少し使いこなしてくれるとこちらも多少楽にとは思いますが)。とはいえ新しい流れには取り残されないようにはしないといけません。ということで、スマートに仕事をしたいという人にとってはあまり参考にはならない話です。
人とつながるとき、例えばどこかの会に参加することになった時等、最初にメンバーがわかる場合は(例えばどこかの理事会やら評議員会やらでも)、それらのメンバーの経歴などを先に調べてみるというのもありです。結構世の中は狭く、ある人がどこかで別の知り合いと一緒だったとかそういうことは広い東京においても多々あります。フェイスブックなども本当に有用です。
3,事務所を大きくするか個人で行うか
これは本当にどちらに行くかです。別にどちらが正しいということではありません。自分で手を動かしたい職人タイプなのか(どちらかというと自分はこちらです)、自分は手を動かしたくはなくむしろ経営者になりたいタイプなのかでしょうかね。
経営者になりたいのであれば、信頼できる誰かと一緒に最初からやるというのもありでしょうし、優れた番頭さんを確保するというのも重要になってくるでしょう。むしろこちらになると事務所内の人の扱い、事務所内の研修体制などが重要になってきます。やはり税務業界は入れ替わりが激しいので、そのたびにクライアントに担当者入れ替えとなるとクライアントから嫌がられます。また1人ボスの場合は自分で管理するとなると20名ほどが限度かと思います。それ以上になるとやはり何人かの共同経営、もしくは優秀な番頭が2,3人いてそれらの人が10人ずつとか見る体制でないとそれ以上には大きくなりません(前職の事務所がまさにこの20名あたりが頭打ちでした)。そういう点では完全に任せられる人、自分は広告塔という人が多くしているのかもしれません。
職人タイプはせいぜい事務スタッフを2,3人抱えて程度で、自分でやれる範囲でやるという感じになります。むしろ自分でやれる範囲がどの程度までなのかの見極めが必要になってきます。また、職人タイプは自宅を事務所にするということも選択肢になるでしょう。ただそうなるとずっと仕事という感じにもなります。自宅事務所でも今はオンライン会議や必要とあれば相手方に行くで十分に対応することは出来ます。しかしライフワークバランスやプライバシー(特に女性)を考えると外に事務所を持つことが正解かと思います。
どちらにしろ大きくするにしろ、個人で行うにしろ、何に責任があるかは違ったとしても、色々な責任という点では大変である点では変わりはありませんが、大変さに見合うものも十分にあると感じます。
4,最初に獲得した仕事
独立すると最初の自分としての仕事がまずどう取るのかというのが最大の問題です。個人的には最初の5件あたりまでが非常に厳しいものがあります。
件数がある程度行くと、クライアントが紹介してくれるなど間口が広くなってくるので、そうなるとそれほど困ることは無くなります。本当に最初の5件あたりまでがどこから来るのか、どうすれば取れるのかが全くわからず難しいところになります。むしろここでスムーズに仕事が来るような人はこの自分の記載などは全く参考にならない人かと思います。
なお、前提として前職の監査法人と税理士法人での手伝い(年120万+90万)は確保されていました(ただし1年限定、監査はさらにその次の年も90万円位)。
まず、独立したら、挨拶状をばらまきましょう。ともかく独立していることを知ってもらわなければ始まりません。理想は300通くらい捲けるとよいと思います。そのためにも独立前からばら撒けるような人たちを作っておかなければなりません。同窓会、よくわからない交流会、親族など含め、自分のそこまでの人生何をしていたのかというところにかかってきます。
独立したことを知ってもらった、あとは暇な時間、色々なところで手伝ったりするのも重要です。同窓会、地域のコミュニティー、趣味の会、何でも良いです。間口が広くなればなるほどどこからか来る道ができるものです。
正直、最初の5件はどう来るのかは全く自分でも想像つきませんでした。一番最初は高校同窓会の先輩からと、高校クラスメートの会社からだったと思います。その次は、高校の先輩(高校クラスメートの従兄弟)、高校の部活の後輩、独立前から繋がりのあった弁護士さんからの紹介でした。まさか高校の繋がりからこれだけ最初来るとは思ってもみませんでした。独立前から今もずっと高校、大学の同窓会の活動はしておりましたが、そういう点では大学というのは大きすぎる(ただしこれはこれで会計士業界とも絡むだけでなく、色々な絡みがあり面白い)のもありますが、高校というのは繋がりとしては大きいのだなと思いました。自分の場合はたまたま高校だったということです。
5,総じて独立した会計士は生き生きしている
自分が独立PTの時に思っていたのは、自分から見れば全然まぶしい経歴であるはずなのに自信を喪失している人たちが結構いるということです。大きな組織の中での評価などでそういうことになっているのかもしれませんが、自分から見れば経歴、周りの情報量含め羨ましい限りです。周りに転がっている情報はほんと独立しているものからすると宝の山に囲まれているということです。それらの宝の山を使えばいくらでも仕事なんてできます。また経歴を生かしてアピールすることも存分に出来ます。自分はそういうのが全くない状況だったので必死で探したり繋がったり聞いたり勉強したりです。今は色々と情報がネットにもあるようになってきましたが、本当に15年前くらいは情報量があまりに少なかったです。そういう点では良い経歴、良い環境ですのでそれを自覚してもっと自信をもって組織内だけでなく、色々外に向かって動いていただければと思います。
向き不向きも有るので独立を必ずしもお勧めするものではありませんが、独立した場合はプラスもマイナスも結果は全て自分に返ってきます。但し総じてプラスの方が圧倒的に多いと思います。
また、他人との比較というのは全くない世界ですので、そういう点での嫌な人事評価などはありません。むしろ、全ての責任を背負うという(良い意味での)責任感やプレッシャーがあります。
土日休みがない代わりに、平日が休めるなど自分である程度時間をコントロールできるようになるのもメリットです。但し、特に会計士は今、独立しても監査バイトなど0スタートにはならない状況です。むしろ監査手伝ってという話がたくさん来るかと思います。あまりバイトしすぎると独立の意味が無くなりますが、但し、税務の基盤を作る(やはり時間はかかるもの)までの繋ぎがあるので恵まれていると思います。
独立に不安を持っていた人も、独立後を見ていると皆さん生き生きとされているのを多く見ますので、十分食っていける状態なのではないかと思います。そういう点では動き回ることが前提ですが、非常に良い業界なのではないかと思います。
6,税理士会支部との関係
税務で独立するということは、税理士会と関わることになります。税理士会は地域密着度では会計士の何倍も進んでいます。また会務に関してはフォーマットいうか、定型化も進んでおり、会としてはどこよりもきっちりしています。最近はだいぶ世の中ラフになってきましたが、昭和と言えば昭和ですが、序列なども含め、失礼が無いようにとか、式次第の進行など定型化が素晴らしいです。個人的にはラフな時代だからこそこういう定型化を見ておくというのも重要な気がします。
税理士会の活動については参加すると会務に加わってくれという圧は感じると思います。平日日中の会務が多いということでなかなか自分がプレーヤーであると難しいことも多いですが、出来る範囲での参加をしてみてください。やはり税務の情報交換という点では大きいです。また趣味の会や旅行などいろいろな活動が充実しているので、仲良くなることが出来ます(支部役員はその企画や参加で大変ですが)。
都内に関しては会計士について色々言う先生もたまのたまにいますが、税理士会を一緒に盛り上げてくれる人である限りはウェルカムです。特に都内の支部においても今若手で担っているのはそれなりに会計士である税理士ですから。
会計士協会東京会を手伝うもよし、税理士会支部を手伝うもよし、いずれにしてもこういう会に参加してみてください。結局は狭い業界ですし、色々広がります。
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