個人が支払った特定寄附金のうち、公益法人に対する寄附金については、支払った年分の所得控除として寄附金控除の適用を受けることが出来る。また公益法人が税額対象の公益法人である場合は、算式で計算した金額(その年分の所得税額の25パーセント相当額を限度とします。)について税額控除(公益社団法人等寄附金特別控除)の適用を受けることもできる。
税額控除の方が所得が低い人にとって寄附金による税金の控除額が大きくなるので有利になりやすい。
そのため、公益法人としては、税額控除を取れるように申請をしておくことが寄付金を集めやすくするためにも重要である。
公益法人の税額控除に係る申請については公益インフォメーションのサイトが詳しい。
また、税額控除対象公益法人であるかどうかは公益インフォメーションで検索することが出来る。
申請の効力は5年間であるので、5年間経つときにまた申請が必要となる。
申請においては申請の期の前の期までの5年間の寄付金の総額などが必要になってくる。
使途不特定財産は不必要に保有しないように、保有上限が定められている。
原則として過去5年間の公益目的事業費相当額の平均
例外として事業拡大中は当年度又は前年度の値を選択可能(但し理由の注記が必要)
使途不特定財産の算定においては総資産額から負債額と基金の額を引いたのち、以下を加減算して算出する。
使途不特定財産額=純資産額‐負債額‐基金‐控除対象財産の額+対応負債の額‐公益目的事業継続予備財産の額
【控除対象財産】…これらは使途が明確に定まっている財産であるので、純資産額から差し引くことが出来る。
・公益目的保有財産…継続して公益目的事業の用に供する財産
・法人活動保有財産…収益事業と嘘の他の事業活動のように継続して供する財産
・公益充実資金…公益目的事業充実のための資金(旧制度でいう公益目的の資産取得資金、特定費用準備資金)
・資産取得資金…特定の法人活動(収益・法人事業)保有財産の取得・改良のための積立資金
・特定費用準備資金…公益目的以外(収益・法人事業)の将来の特定活動のための積立資金
・指定寄附資金…交付者の定めた使途に充てるため保有する資金(当該資金から生じた果実は除く)
【対応負債】
控除対象財産に対応する負債の額については負債の二重控除を防ぐために加算して調整する
【公益目的事業継続予備財産】
災害等の不測の事態に備えて、公益目的事業を継続するための資金。原則は使途不特定資産から控除されないが、保有の必要性・算定根拠を別表C(5)で開示することで、使途不特定資産から控除することが出来る
詳細は内閣府から出ている、令和7年4月1日以降に開始した事業年度用の「定期提出書類の手引 公益法人編」をご覧ください。
主な改正点としては、C2-1であったのがC2-2の様式になっております。
また、以下の点が大きく変わっております。
R7年度末に公益目的の資産取得資金、特定費用準備資金があった場合は、新別表C-3,C-4ではなくA(5)-1に記載することになります。
【主な改正点】
別表A「収支相償」 →新別表A「中期的収支均衡」
旧別表C「遊休財産」 →新別表C「使途不特定財産」
旧別表C-4、C-5のうち公益目的→新別表A(5)-1,2「公益充実資金の明細」
旧別表C-4、C-5のうち公益目的以外→新別表C-3「資金取得資金」、C-4「特定費用準備資金」
新別表B 公益目的事業比率の中に旧別表F「費用額の配賦」の内容が統合された(旧別表Fは廃止)
別表H「公益目的取得財産残額」の作成は、 BS区分経理を行っている場合不要になった
例えば、使途不特定財産の保有上限額の算定方法について、従来の「当該事業年度の費用」から改正後は「過去5年間の平均額」に変わったことから、事業年度開始前に上限額を把握できるようになりました。
令和8年度の事業計画・収支予算から新公益会計の影響により、提出書類が増えております。
令和8年度の事業計画・収支予算においては、従来の「事業計画書」、「収支予算書」及び「資金調達及び設備投資の見込みを記載した書類」に加えて、「事業の内容」の書類も理事会に提出しなければなりません(令和8年1月28日内閣府公益法人メールマガジン臨時号参照)。
<法改正後>(新制度:認定法第21条、認定法施行規則第45条、認定法第7号1項3号4号)★が追加
1 事業計画書
2 収支予算書
3 資金調達及び設備投資の見込みを記載した書類
4 当該事業年度開始の日において行う公益目的事業の種類又は内容、収益事業等の内容について記載した書類★
5 1から4までに掲げる書類について理事会(社員総会又は評議員会の承認を受けた場合にあっては、
当該社員総会又は評議員会)の承認を受けたことを証する書類
上記1~4の書類を作成いただいた上で、理事会等において承認を受けていただくことが必要です。
その際の議事録の写しは、上記5として電子申請システムの「事業計画書等について承認を受けたことを証する書類」からご登録ください(この書類は公表対象ではありません。)。
上記4の内容を記載した書類として、東京都には、「別紙2」Word・Excel様式を提出いただきます。これは、ダウンロードしたオフライン様式フォルダにある「C1-1_レイアウト(本編)_00_V03R02.xlsx」を除く各様式(「別紙2」Word・Excel様式)のことです。
なお、各様式に関しては、令和7年4月1日以降に変更認定申請等を行ったか否かによって、使用していただく様式が異なるが、大半は変更なしに該当なので以下は令和7年4月1日以降変更なしのみ記載する。
【令和7年4月1日以降に変更認定申請をしていない場合】
「事業の内容」として当初の認定申請書、過去に変更認定申請している場合は当該変更認定申請書の内容を記載する。
実務上は、適宜要約したものを理事会に提出し、当初や過去の認定申請書を添付するという方法になります。
内閣府への提出様式については令和7年4月1日以降に変更認定は行っていないので、「旧様式」にて作成します。
○令和7年4月1日以降に変更認定申請を行っていない公益目的事業
⇒「C1-1レイアウト_2-2(〇)_V01R09」というファイル名の様式(旧様式の「別紙2」)に記入
※要注意ポイント※【別紙参照】
・「定期提出書類の手引き公益法人編【令和7年4月1日以降に開始した事業年度用】」のP9,P10を必ずご確認ください。
・旧様式の「別紙2」を使用する場合、公益目的事業については、令和7年3月31日以前の直近の変更内容(令和7年3月
31日に一番近い日付けで行われた変更認定もしくは変更届出の内容)を記載する必要があります。公益認定(移行認定
を含む)以降、一度も変更認定を受けていない、かつ変更届出を行っていない場合は、公益認定時の内容をそのまま記
載してください。
・旧様式の「別紙2」を使用する場合、収益事業又はその他事業については、令和7年3年3月31日以前の
直近の認定時あるいは届出の内容を記載してください。
・「別紙2」の記入にあたっては、事業の実績等(事業の日程や財務数値など毎年変動することが一般的に想定されるよ
うな事項)は記入不要です。そのため、公益認定時の内容を別紙2へ転記する際、事業の実績等に係る部分は削除して
ください。
1,理事会の場合
監事は理事の職務の執行を監査する立場にあるため、理事会に出席する義務がある(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「一般法」)101条1項、197条)。
2,社員総会または評議員会の場合
監事は社員総会または評議員会への出席義務についてはどうであるか?
法令上は、監事は社員総会または評議員会への出席義務は無い。監事はあくまでも理事の職務の執行を監査する立場にあり、社員や評議員を監査する立場にはないことから、社員総会または評議員会への出席義務は求められていない。
但し、監事を設置している公益社団法人・一般社団法人、公益財団法人・一般財団法人においては、理事及び監事は、社員総会または評議員会において、社員または評議員から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない(一般法53条、190条)。
社員または評議員は、法人の業務執行を行うわけではないことから、社員総会または評議員会で決議を行うにあたり、法人の業務執行状況を把握する必要がある。そのため、社員または評議員が直接業務執行を行っている理事やその理事の職務執行を監査する立場にある監事から状況を説明してもらう必要があると判断した場合、理事、監事は説明をする義務がある。
以上から、監事は法令上、社員総会または評議員会への法令上の出席義務はないとしても、説明を求められた場合、理事、監事は必要な説明を行わなければならないことから、監事も実質的に出席する必要がある。
2025年4月に施行された「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」の改正に伴い、公益法人は外部理事・監事を設置することが義務付けられた。
外部理事・外部監事に求められる義務と責任、安心して職務に専念するための「役員賠償責任保険」などについて解説した良い資料が全国公益法人協会にあるので、こちら紹介する。
公益法人の外部理事・監事の義務・責任と求められる役割とは| 全国公益法人協会
公益法人において収益事業の利益は公益目的事業会計に繰入れる必要がある。
通常は50%を繰入れることから、50%繰入の場合の例示を記載する。
この場合、収益事業における、収益-費用-管理費のうち収益会計に按分される金額を当期の収益事業の利益(別表A(3)の9欄)として、この50%を公益事業に繰入れることとなる。
1.法人会計における管理費を収益事業に按分する
そのためにはまず、管理費のうち収益会計に按分される金額、つまり別表A(3)8欄の「管理費のうち収益事業・その他事業に按分される額の控除」の算定する必要がある。
これは管理費(通常は法人会計における管理費)のうち収益事業に対応するとみられる金額については、収益事業の費用とみなして計算するというものです。
この収益事業に対応するとみられる金額の計算方法については、「定期提出書類の手引 公益法人編」においては、合理的な基準であればよいとされているだけであり、具体的な計算が定められているわけではないが、手引に記載されている事例においては、会計上の事業費の比率で按分する方法を取っていることから通常はこの方法を採用する。
この時の端数処理についても特に規定されてはいないことから、切り上げ切り捨てどちらでも良い。
2.収益事業の利益の50%を繰入れる。
この場合の注意点としては、繰入額は「1円未満端数切上げ」となることである。