リファラル採用における税務処理

以下については実際の事例により微妙な判断を要求されるので、各自の顧問税理士、社労士などに相談の上判断をしてください。

【従業員が会社に知り合いを紹介したことへの報酬(リファラル採用)】

従業員が友人を会社の従業員として紹介したことで、そのお礼に会社から謝金を貰うことについての税務処理。

法的に言えば職業紹介にも該当しうるので、職業安定法も念頭に置く必要がある。

 

職業安定法第40条は以下に定める。

「労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの又は募集受託者に対し、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合又は第36条第2項の認可に係る報酬を与える場合を除き、報酬を与えてはならない。」

 

労働者の募集を行う者に対して報酬を与えることは原則禁止とされている。

ただしこの第40条では、赤字の部分であるが、例外的に許される場合として、自社の社員が募集を行い、その社員に対して賃金や給料という形で紹介報酬を支払うことは例外的に認めるとしている。

そこで、社員紹介を制度として導入する場合に以下を念頭に置いて規程する必要がある。

・就業規則や賃金規程に、紹介報酬を社内制度の一部として定めること

・紹介報酬の支給範囲、支給額などを明確にすること

・過度に高額な紹介報酬は避けること

現金以外のもので支払う場合は、労基法上の「賃金の現金払い」の原則に抵触する可能性がありうる点注意が必要である。

 

ただし、この職業安定法は「業」として行う場合(反復継続的)に限られると解釈もできる。

会社が社員に対し「もしいい人がいたら社員に紹介して」と声がけをし、実際に紹介から採用された場合にありがとうと社会通念上相当な範囲内で程度の運用であれば、金銭や商品券等を渡すこと(せいぜい1万円程度ではないか)については、「業」とまでは言えず交際費として処理をしてよいのではないかと考える。

 

なお、紹介制度を定めている場合は基本的には規程の通りに給与に、また制度を定めておらずであっても3万円や5万円、10万円のような金銭を付与である場合は以下を勘案して総合的に業務に直接関係するかどうかを判断し、給与または支払手数料として処理すべきである。

・紹介活動を行っているのが業務時間内か否か(時間内であれば給与になりやすい)

・紹介者の通常の業務と当該紹介活動が関係するか

・紹介活動にかかったコストが会社負担か否か

 

上記を勘案して、会社側や受け取った側の処理は、以下のいずれかとする。

①従業員としての業務に直接関係する場合 :給与手当

②従業員としての業務に直接関係しない場合:支払手数料(紹介手数料)←従業員は雑所得か一時所得

 

【社外の人に紹介報酬を支払う場合】

取引先などの社外の第三者に対して紹介報酬を支払う場合には、自社の社員のように職業安定法第40条の例外は適用されないので、原則通り、紹介に対する報酬の支払いは禁止です。

しかし、「業」としない(反復継続ではない)場合は、職業安定法の直接の規制は受けないと考えられうる。

 

様々な取引先から散発的に縁があった人を紹介してもらい、それに対して社会通念上も相当な範囲で謝礼を支払うということであれば職業安定法上の趣旨を潜脱しないと解釈されうる。
その場合の会社側の会計処理としては支払手数料、または交際費が考えられうる。
この場合に社外の第三者が直接の取引先の会社や個人事業主であればよいが、その従業員である場合には直接の取引先ではなくなってしまい相手方の内部統制の問題にもなってくることになることから、避けるべきである。